本 「幸福な生活」

百田直樹著。

この著者の本は、2冊読んでいる。

最近の、「永遠のゼロ」。
戦争の話自体もさることながら、軍国主義だった日本を否定、批判するのが、重かった。
否定されて仕方ない事実ではあるけれど、自分の中でうまく消化できず、苦しかった。

3年前に、「モンスター」。
美しくなりたい女性のゆがんだ心を恐ろしいと思った本だった。

どちらも、細かいリサーチ必要で、薄っぺらな物語ではないからこそ、読み終わった後の、なんとも言えない感じが…。
…なんとも言えない。
スミマセン、語彙なし、過ぎ。

今回は、あ、こんなのも書いているんだ、のショートショート。

比較的、微笑ましい話で始まって、最後の最後で、ゾーッとさせる手法。
読んでいるうちに、このオチはきっとこう、って想像もできるものもあるんだけど、思っていた通りのオチであっても、やっぱりゾーッてなる。

途中で、は!と気づいたのが、その最後の最後のオチは、必ず、最後のページの1行になってる。
その最後のページは、必ず、めくるようになっている。

「仕方ないから、いっしょに埋めちゃったのよ」 (母の記憶)
痴呆症の母親が、息子が子供の時に大切にしていた怪獣のおもちゃをお父さんと一緒に埋めた、と告白する最後の1行。

「見たな」 (夜の訪問者)
嫁が自分の浮気に気づいていないことに安心している男は、偶然嫁が持っている、男の浮気記録を見つけてしまった。その最後のノートについているメモを開くと書かれていた言葉。

…という具合に、19編の、コワーイ話集。


本の最後にある、解説、って、自分が読み終わった余韻に浸りたいので、あまり読まないんだけれど、今回宮藤官九郎だったので、読んだ。

そこに、「あ! それ、わたしが言いたかったこと!」ってあった。

改めて百田さんは「作風」を持たない作家さんだなと思いました。著者名を隠して幾つか読み比べたら、同じ作家が書いたと気がつくだろうか。それくらいエピソードによって作風が変わります。サスペンス調もあれば素朴なテイストの文体もある。時に一人称で、時に俯瞰で、人間の滑稽な営みを淡々と綴っている。


それ、それ。
わたしが、「永遠のゼロ」と「モンスター」と、今回のショートショートたちを読んで思ったこと。
まんま、デシタ。
さすが、クドカン。


祥伝社文庫。


幸福な生活 (祥伝社文庫)
祥伝社
2013-12-12
百田 尚樹

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