本 「花の降る午後」

宮本輝著。

宮本輝と言ったら、「青が散る」。

…と、そこだけが思いつくものの、で、「青が散る」ってどんな話だ?
昔流行ったトレンディlドラマ?
爽やか青春物語?

勝手にそんなイメージだったので、読み始めてビックリ。

若い未亡人、洋館のフランス料理店、若い絵描き。
結構な淫靡なお話です…。
渡辺淳一な世界です…。

って、これまた渡辺淳一もそれほど詳しくないんだった。

パトロン的な未亡人典子と、そういう立場になりたくないながらもサポートが欲しい雅道。
恋、ではない、最初は身体だけのつながり、になり…。

えっと、わたしにはなんだか理解できない話だった。

なので、を、言い訳に感想が書けません。
なんか、とにかく驚きました。
わたしには、オトナ、過ぎ。

<印象的なシーン>

深夜の典子と雅道の長電話。
まだ出会って間もないので、典子にとっては、苗字で高見、でしかない時。
電話の向こうで、何かを食べている様子を感じ取った雅道が尋ねて答える典子。
「フォアグラとうずらのパイ皮包み。店の料理長が、夜食にって取っといてくれたの」
神戸と東京の長距離電話代は自分持ちだから、と言って、典子は電話口で雅道を待たせてウィスキーの水割りを作る。
「贅沢だなァ。フォアグラを肴に上等のスコッチか。ちょっと待って下さい。いいでしょう? 電話代はそっち持ちなんだから」
「お待たせしました。えーと、ぼくのグラスには焼酎のお湯割り。肴はスーパーで十本三百二十五円の超特価品だったチクワです。この違いってのは、もうほとんど不条理に近い差別ですよ」


典子の思考。
アヴィニョンの経営者としてすごした四年の歳月の中で、典子が知らず知らずに身につけた知恵はたくさんあったが、そのひとつは、すべてが決定するまでは計画の一部を断じて口外しないというものである。(中略)準備が整い、自分が実行することを決意する前に、一部でも洩らしたりすれば、必ず誰かが足を引っ張る。それが悪意ではなくても、典子の行き足は鈍るのである。

雅道の思考。
「…あいつ、彫刻なんてやめちまったほうがいい。彫刻じゃ食えないからってんじゃない。あいつには、才能がないんだ。俺、何度、そう言おうと思ったかしれやしない。言ってやったほうがいいんだ。だけど、そんなこと言えるもんか。才能って、残酷なんだ。ないやつは、どんなに努力したって無駄さ死に物狂いになっても、才能がないと、どうしようもない」

角川文庫。
典子と雅道の、その先にはなにがあるんだろう。

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