本 「恋愛嫌い」

平安寿子/たいらあすこ著。

どこからやってきた本か、わからぬ。
タイトルからして、「なんてことのない本だけど、暇つぶしにはなるよー」的に貸してくれたような…。
お風呂本にしていいよ、返さなくていいよ、と…?

でも、誰かわからんくなったー。

しばらくデスクにあって、こういう短編集は、ほんとに息抜きで読もう、と思ってた。

短編集じゃなかったよ。
読み切り、の7話集だけど、主人公の女子3人は、ランチタイムのガールズトークで繋がっている。

化粧っけ、女っけ、ゼロ、限りなくオタクに近い26歳の翔子。
ブログの中で饒舌に生きている。
学生の時の、小金持ちオトコ友だちに、偶然再会し、ご馳走してもらって、プラダ買ってもらって、告白してもらって。
でも、ぶれることなく、ヒトリで過ごすことを選ぶ。

29歳の喜世美はコンタクトレンズ販売店で売り子。
昔、処女を捨てる為に、オトコを踏み台にした。
キャピキャピな捨て方ではなく、いつまでも処女ではいられない、と考えた二十歳の時に、背に腹は変えられぬ、式で、エッチに挑んだ。
そのオトコとの再会で、自分の恋が苦手であることを思い出す。

大手スナック菓子メーカーで次長のタイトルを持つ鈴枝は37歳。
冷たい美人。
年下の部下に好かれて、適当にあしらって、行きつけのバーのバーテンダーに恋をして、玉砕。

年齢はそれぞれ違って、シチュエーションも違うけれど、ガールズとしては一度は通ってきた道。
共感したり、失笑したり。

面白かった。
翔子と、喜世美と、鈴枝と、ランチタイムを取ってた気分になった。

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

(面白い描写がいっぱいだったので、長くなりそうだけれど…)

翔子、ブログ内。

…日本人の数が減るのって、そんなに悪いことだろうか。どんどんいなくなって、絶滅危惧種に指定されるくらい少なくなったら、世界中から保護されるから、かえっていいのではないか?
どこかの国が日本人をいじめたら、グリーンピースが体当たりで救出に乗り出してくるぞ。
(中略)
いいなあ、それ。
いや、地球上から日本人がいなくなるなって、あってはならないと政府が本気で危惧してるんなら…(中略)。
妊娠可能年齢の女全員に、定期的に子作り休暇を与える、まとめて気持ちのいいリゾートに送り込み、事前のアンケート調査で選び出した「寝てみたい男のタイプ」を取り揃え、とっかえひっかえ、ひたすらやりまくっていただくのである。


翔子、ランチ中に思うこと。

女の「女の子度」は年を食うほど高くなるものらしいと、翔子は二人の先輩から学んだ。

翔子、“コブ茶”との“デート”終わらせて。

わたしって、しんから一人じゃないとダメな人間なんだ。
(中略)
しょうがないな。シングルウーマン課税が現実のものになったら、おとなしく払うしかないね。まともに人を愛せない罰として。
(中略)
せめて、一生懸命働くか。税金ガッポリごられても快適な一人暮らしを維持できるくらい、お金貯めとかないとねえ。


鈴枝、ランチ中に思うこと。

前向きにさえなれば、毎日が楽しく、きれいになり、モテて、出世して、金儲けができて、ガンにもならず、ダイエットにも成功し、とにかく、なんでもかんでもうまくいく。
これって、持っているだけで幸福が訪れる魔法のペンダントだの、財運があがる財布と同じレベルじゃない?


鈴枝、部下に突っ込むこと。

「次長、付き合っている人、いるんですか。(中略)いないんですね。じゃ、僕のことを前向きに考えてもらっていいですよ。(中略)「でも、何があろうと次長の味方でいる人間が一人はいること、知っておいてもらいたいと思って」
ああ、美しいJ-POPの世界。あなたはあなたでいるだけで素晴らしいとか、いてくれてありがとう、いつもそばで見守っているよとか?
おまえら、みんなまとめて、前向きの国へ行け。目障りじゃ!


鈴枝、昔、自分の彼氏を奪って結婚した友人に突っ込むこと。

「わたしはね、ちょっと不幸が好きなの。(中略)恋人もいないし、お金もあんまりないし、働いてるのは生活のためで、生き甲斐なんか感じてない。それどころか、責任の重い立場に立たされそうで、考えるだけでうんざりする。寂しいし、虚しいし、つまらないし、情けないとも思う。でもね、だからってどうしても幸せになりたい、(中略)なんて、毎晩祈ったりしないわ。それほど幸せに飢えてないもの。ちょっと不幸。でも、死にたいほどじゃない。そのくらいで、いいの。毎日、なんだかんだ文句言いながら、やっていくわ。それでいいの」

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

まだ、ピックアップしたいところはあるのだけれど、やめとく。
こうやって振り返ると、翔子と鈴枝には共感が多いけれど、喜世美には少なかったんだなぁ。
最後の喜世美の決意を考えると、わたしの人生と重ならないからかなぁ。

偶然だった、と思うことにしよう。

だって…。
この本で、ハッピーエンドになったのは喜世美なんだもん。
いや、“結婚”はハッピーエンドじゃないけれど、さ。
もごもごもご。


集英社文庫。
恋愛嫌い (集英社文庫)
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2011-10-20
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