本 「沈まぬ太陽 - 御巣鷹山篇」

山崎豊子著。

いよいよ、の御巣鷹篇。

思わぬアフリカ篇で恩地のいじめられっぷり、昔の日本企業のいやらしさに辟易していた。
かと言って、御巣鷹篇を楽しみにしていた、とは言いにくい。

覚悟を決めて。

実際の事故のとき、わたしはそこそこものの判断が出来る歳だった。
その後の新聞やテレビでの報道、後日談などを読み聞きするたび、涙がこぼれた。

この事故が起こるまでを、起こった後を丁寧に書いてはいるけれど、決してドラマチックではない。
淡々と、事実(と思われること)だけを書き起こしていて、じわっと、涙があふれるけれど、心配したほど泣き、の小説ではない。
だからこそ、その文字には書かれていない、人の命の重さを考えると、悲しい、辛い。

そして居心地の悪さ。

冒頭にある「小説的に再構築した」もの、とは割り切れない。
被害者の家族もいれば、加害者の家族もいる。

どちらにだってなる可能性があって、それを傍観者として、小説をただ読む人だけとなることに良心が痛む。

この話が、100年も、200年も前の、“歴史”となっているならいいのだけど。

被害者側も加害者側も、まだみんな生きている時に、どうして山崎豊子はこの小説を書こうと思ったのかな…。


新潮文庫。
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新潮社
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