本 「青べか物語」

山本周五郎著。

名著、と言われるモノは、ね。
押さえておきたい。

青べかってなんだろう、と思ってたら、青色の舟、だった。
でも、別に青べかの話は、そんなにメインではない。
それを騙されたかのように買わされた、その土地ではインテリとみられているであろう先生が語る、その土地のお話。
インテリは、時々蔑称、にもなる、ヨ。
先生(働いているところの描写はないので、なんの先生なのか、本当に先生なのかはイマイチわからない)は、コドモタチに時にからかわれることもある。
オトナもコドモも対等の土地。

金銭的に言ったら貧乏な土地、人間的には魅力的なひとたちが住む土地。
そこで繰り広げられる話が、時におとぎ話風に、皮肉話に、じわっと感動的に。

印象的だった話。(全部読み終わった今は、なんで印象に残ったか、忘れちゃったの…、バカなの、わたし。)

<蜜柑の木>

その土地の描写―。
この土地では、どこのかみさんが誰と寝た、などという話は家常茶飯のことで、たとえばおめえのおっかあが誰それと寝たぞと云われたような場合でも、その亭主はべつに驚きもしない、おっかあだってたまにゃあ味の変ったのが欲しかんべえじゃあ、とか、おらのお古でよかったら使うがいいべさ、と云うくらいのものであった。
そんな土地で生まれ育った助なあこ(助兄貴、みたいな感じの意味らしい)の純情物語。
19歳の助なあこ(この呼び方も、愛着あるんだよね)が、恋をした相手は15も上の人の女房。
でもそれは少年のような恋で遠くから見るだけでよかったのに、その土地だから、周りの人は口さがなく、その女房も純愛からはかけ離れた人だった。
お兼は助なあこを抱きよせようとした(中略)。助なあこはお兼の手をふり放した。
「そうじゃねえ、そうじゃねえ。(中略)男と女の中は蜜柑の木を育てるようなもんだ、二人でいっしん同躰になって育てるから蜜柑が生るんだ」



自分の青べかに乗って、飲み物とおやつと、2、3冊の本を持って、海に出る<貝盗人>。
ある女性を思い続けた船長の話<芦の中の一夜>。
昔はお酒を飲んで暴力をふるっただんなが、今は奥さんを背負ってお風呂屋さんに行く<家鴨(あひる)>。


裏表紙に「現代小説」って書いてある。
今とは違う、“現代”が描かれてる。
おもしろかった。


新潮文庫。






青べか物語 (新潮文庫)
新潮社
山本 周五郎

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by 青べか物語 (新潮文庫) の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル


ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック