本 「高円寺純情商店街」

ねじめ正一著。

“いまさら”感、満載。
でも、過去に流行って、今も残っているものって、ヨイモノに違いない。

今も残っている、ったって、ブックオフに普通にあるものだ。

わたし中央線っこだから、高円寺、ってだけで嬉しくなる。
お散歩もたまにする街だしね。

物語はねじめさんの自叙伝、なんだよね?
だから、小さな事件はあるけれど、ドラマチック仕立てじゃない。
人の少年時代なんて、そうそう波乱万丈なこと起こらないよ。
だから、ちょいハラハラするけれど、ノスタルジーさが際立って、一話一話、ほっとする感じもある。

もしこれが完全フィクションだったら。

正一のおうちの鰹節屋さんは、日本橋の「やまぶし」に仕事を持ってかれて、お店は傾いて、つぶれちゃって一家離散になっちゃうだろうし。

憎まれ口たたき合うケイ子は引っ越していって、知らないうちに恋ココロを芽生えさせていた正一の初めての恋は静かに甘酸っぱく、終わっちゃうだろうし。

住み込みで働いているもりちゃんは、カズ江と一緒になるために、その付き合いを反対している正一のお父さんと刺し違えちゃってるだろうし。

隣に一時的に来た化粧品屋さんの美人さんの誰かと、正一のお父さんはデキちゃうだろうし。

お風呂キライでカイカイになっちゃった正一は入院だね。

そして最後は火事になって鰹節屋さん燃え尽きちゃう。

…っていうような、大事件はなく、ちょっとしたさざなみ立たせて。

ほほえましい。
これ、映画になってる?
正一が商店街を自転車で仕事している様子を目に浮かぶ。


配達をはじめたばかりのころ、配達先の前で正一は何度かそうしゃって自転車をひっくり返したものだった。(中略)
こんなことならいっぺんに配達せず、小分けにして荷を軽くして何回も配達すればよかったと思ってもあとの祭りで、配達の前はやっぱり一度で済ませて友達に見つからないよう、積めるだけの荷物を積んでしまうのだった。(中略)
しかし、もし日本橋「やまふじ」が小津会館に入るようになったら、江州屋乾物店は小津会館なしで何とかやっていかなければならない。(中略)江州屋乾物店の将来や、ばあさんと父親と母親の暮らし向きがぜんぶ自分の肩へかかっているようで、もう友達に見られるなどということを気にする余裕はないのだった。



新潮文庫。

(ねじめ正一って、詩人だったんだね)




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